プロボックスの車高を上げるだけで見た目の印象がガラリと変わるリフトアップ。
個性を引き出すには魅力的なカスタムですが、メリットやデメリット、更にはそれに伴うタイヤ選びに関して実際のところはどうなのか気になる点をお伝えいたします。


1.プロボックスの全高、車高、最低地上高について
全高とは車体そのものの高さを指します。
車体が地面に置かれている状態で、地面から車体の最も高い位置までの寸法のことです。
車高とは今回の場合は車体が地面に置かれている状態でフェンダーアーチの最上部までの高さを指します。
最低地上高は、車体の1番低い部分と水平な路面との垂直距離を指す数値です。一般的な車両では、マフラーのタイコ部分かリアデフが最も低い位置となります。
ノーマルプロボックスの数値で見る車高比較(個体差あり)
50系 | 全高 | 車高 | 最低地上高 |
---|---|---|---|
プロボックス2WD | 1525mm | 635mm | 150mm |
プロボックス4WD | 1530mm | 650mm | 150mm |
160系 | 全高 | 車高 | 最低地上高 |
---|---|---|---|
プロボックス2WD | 1525㎜ | 640㎜ | 140㎜ |
プロボックス4WD | 1530㎜ | 665㎜ | 130㎜ |
<比較車両>
50系 | 全高 | 車高 | 最低地上高 |
---|---|---|---|
プリウス 2WD | 1490㎜ | 682㎜ | 140㎜ |
車高の見た目での比較
▶︎160系2WD フルノーマル車



▶︎160系4WD
ノーマル車高&TOYO オープンカントリーR/T 165/65R15



▶︎50系4WD
2インチリフトアップ&マキシスバックショット195R14C



プロボックスの全高に関してですが、ノーマルの状態で2WDと4WDではそもそもの高さが違います。
単純に説明しますと4WDのほうが約5mm程全高が高く設計されております。
これはプロボックスに限らずほとんどの車種に見られる設計となります。
しかし駆動方式の違いによる設計上の問題で、最低地上高は50系は150㎜で同一、160系は4WD車のほうが10㎜低い数値となっております。
車高に伴う最低地上高はプロボックス自体決して高くはなく、プリウス等の乗用車種とほぼ同等ですので、車高を上げるリフトアップは見た目にも、走破性能的にも優位なカスタムであることは間違いありません。
高ければ路面からの距離が高くなりますので、悪路の凹凸や積雪の深さへの対応幅が増しますので、走破性能はノーマルとは比べ物になりません。
しかしながら車高を上げることは単純に地面からの距離が増え、安定性はノーマルより劣る結果となります。
そしてリフトアップすることで必然的にオフロードタイヤの装着が前提となりますので、タイヤの特性上、パターンが大きく転がり抵抗が大きくなる上、バネ下重量も増えることから、燃費の悪化や加速の鈍化、舗装路面でのロードノイズ増など弊害も出てくることを理解した上でのカスタムとなります。
2.プロボックスをリフトアップすることによるメリットとデメリットは?
リフトアップすることで大きなメリットとしては2つ生まれます。
リフトアップによりプロボックスの車高が上がることで「SUVのような四駆っぽさ」や「アウトドア感」、更には「趣味性の強さ」が強調され個性的な外観デザインでアウトドアやキャンプがもっと楽しくなります。
そもそものプロボックスは乗用車タイプの車格ですので、リフトアップすることで上下に大きく見えるようになり一回り迫力が増します。
更にノーマル車高では不可能だったワンサイズ大きなタイヤが装着できるようになり、更なる遊び仕様へとカスタマイズされます。
その結果、最低地上高が稼げるので悪路の凹凸の対応幅が増え、オフロードタイヤの性能も相まって走破性能も格段に向上します。
以上、リフトアップすることでノーマルと比較した際にどのような変化があるのかをまとめました。
リフトアップすることでのメリット
- ノーマルよりも遥かに見た目の迫力が出てアウトドア感、ギア感が増す
- サイズアップしたオフロードタイヤを履かせることができお洒落さがグッと上がる
- オフロードでの走破性能が向上するので外遊びが更に楽しくなる
リフトアップすることでのデメリット
- 車高が上がることで走行中の安定性に変化が現れる
→直進時の挙動に変化はありませんが、大きなコーナーをある程度の速度で曲がると荷重移動が大きくなったこと(ロール幅、傾き幅)が感じられます。
それは車高が上がったことによりサスペンションの上下幅が増えたことによる作用で物理的な現象です。
常識的な車速であれば特に安全面での心配はありません。 - 燃費や加速性能など走行性能が変化する
→これはリフトアップで車高が上がったことではなく、単純にタイヤの大きさ、重さによる変化となります。
純正タイヤとホイールセットの1本の重さは約12.5㎏に対し、リフトアップに装着させるオフロードタイヤとホイールのセットは16㎏となり、4本のバネ下重量だけで14㎏程重量が増す計算になります。
人間でいうとマラソンを10㎞走るのに300gのナイキエアマックスを履くか、800gのレッドウィングを履くかくらいの感覚の差があるかと思います。
そしてマットタイヤというブロックパターンが路面との摩擦抵抗を大きくさせますので単純に転がりにくくなり燃費にも影響を及ぼします。 - リフトアップすることによる部品代、タイヤ代がかかる
→当たり前のことですがリフトアップにかかる費用約150,000円、リフトアップ用のタイヤ&ホイールセットを装着させる費用で約100,000円となりますのでノーマル仕様で購入するよりは、予算を多めにとっていただく必要が出てきます。
しかしながらその分の費用対効果として見た目のカスタム度合い、走破能力の向上を考えると、リフトアップの効果は大きいと感じます。
燃費の実走データ
検証車両:プロボックス弊社デモカー(満タン法にて)
26年式/プロボックス/DXコンフォートパッケージ/1500cc/2WD/大人3名乗車/キャンプ用品他約100㎏積載/エアコン常時使用/2インチリフトアップ&MAXXIS/バックショット/195R14C
高速道路 約120㎞ | 峠越え 約120㎞ | 消費燃料 41.3L |
市街地一般道 127km | 合計走行距離 367㎞ | 走行距離/1L 8.8km |


エアコン常時使用や峠越えなど、普段のアウトドア使いに匹敵する使用条件でマキシスマッドタイヤでもありながら8.8kmとまずまずの燃費を計測。
使用条件次第では1Lあたり10㎞以上走行可能ではないかと思う。
3.リフトアップの施工に関して
リフトアップには車種によっていろいろなパターンで施工する工法がありますが、弊社のプロボックスは駆動方式によって以下の通り工法を変えております。
<50系160系共通>
2WD | 4WD |
---|---|
約40mmリフトアップ | 約50mmリフトアップ |
サスペンションキット | スペーサーキット |


弊社では2WD車専用のスプリング交換の「40㎜アップ」と、4WD車専用のスペーサーを使った「50㎜アップ(2インチ)」の2つの工法を採用しており、共に車体や走行性能へのダメージを極力少なくなる補正パーツを取り入れて施工します。
両者ともに取り付け工賃を入れて150,000円ほどで40~50mmアップでき、車検は公認を取得してお渡しとなりますので所有してからも安心してお乗りいただけることと、低予算でリフトアップが実現できるため、人気メニューになっています。
(※公認を取得→車検証上の高さ記載変更、直前直左視界確保などが該当します)
プロボックスリフトアップ施工経験数を活かしご納車後のサポートをさせていただきます。
4.プロボックスオフロードタイヤの選択肢、マッドスター、TOYO、MAXXISとタイヤサイズ
プロボックスのリフトアップスタイルでは、純正よりも外径の大きなオフロードタイヤタイヤがベストマッチします。
何と言ってもタイヤパターンのブロックが特徴的で、いかにもオフロード路面に食いつきそうなカッコよさがあり、グリップ力も想像させてくれます。
そして銘柄、サイズにもよりますが、タイヤサイドウォールのホワイトレターを選べるのも嬉しいポイントです。

ホワイトレターは60~70年代にアメリカで流行したタイヤデザインですが、やがて日本にも入ってきて定着しました。
趣味性の高いアメ車、スポーツカー、SUVなどのワンポイントとして好まれ、特にオフロード系のカスタマイズでは定番アイテムになっており、ビジュアル面での恩恵が大きいのが特徴です。
リフトアップすると高い位置ばかりが注目されがちですが、タイヤの黒に白文字が入るとスタイリッシュな印象がアップし、低い位置のパーツとしてお洒落度のトータルバランスを高めてくれます。
カスタムプロボックスのタイヤサイズ
それではまずタイヤサイズの比較をお伝えします。
<純正タイヤサイズ>
50系→165/80R13 タイヤ幅165㎜ 外形594㎜
160系→155/80R14 タイヤ幅155㎜ 外形603㎜
純正サイズに若干の前がありますが、共にリフトアップ時のタイヤサイズアップには同程度のタイヤが使用できます。
プロボックスのカスタム車に合わせた弊社おすすめオフロードタイヤのサイズと銘柄は以下の通りです。
<リフトアップ車用>
TOYO | オープンカントリーR/T 165/80R14 ホワイトレター(タイヤ幅165㎜ 外形620㎜) |
MAXXIS | バックショット 195R14C ホワイトレター(タイヤ幅200㎜ 外形661㎜) |
<ノーマル車高用>
マッドスター | ラジアル M/T 165/65R15 ホワイトレター(タイヤ幅165㎜ 外形596㎜) |
TOYO | オープンカントリーR/T 165/65R15 ホワイトレター(タイヤ幅170㎜ 外形595㎜) |


タイヤによっては純正より大口径となりバックショット195R14に至ってはタイヤだけで約3cm車高を上げることができます。
しかしながら大きなサイズを履かせるという事は、タイヤハウスやアーム、ブレーキ類の干渉を防ぐ必要がありますのでインナー加工、その他補正部品を追加して対応します。同時にスピードメーターと実速度の誤差が大きくなり、車検を通せないケースがあるため注意が必要です。
5.プロボックスリフトアップについての専門店としての見解
プロボックスのリフトアップは見た目の印象が男前になるのはもちろん、ノーマル車高だと行けない場所だって気にせず行けちゃうのがリフトアップの魅力、そして遊び心たっぷりのサイズアップしたオフロードタイヤの装着でアウトドアギアっぽくビジュアルと機能性がアップします。
アウトドアレジャーやキャンプをもっと楽しんだり、愛車のカッコよさを追求していくのであればリフトアップは外すことのできないカスタマイズだとお勧めします。
弊社ではプロボックスのカスタマイズを前面に出し、アウトドアスタイルなプロボックスを理想とするお客様には「リフトアップ」の施工提案、純正プロボックスの性能維持重視のお客様には「ノーマル車高」をお勧めしております。